伐採の種類（主伐・間伐・除伐）
「伐採（ばっさい）」は、森林の木竹を伐り倒すことであり、
通常は丸太を生産する行為をいいます。
林業における伐採の種類には主伐（しゅばつ）、間伐（かんばつ）、
除伐（じょばつ）、皆伐（かいばつ）、択伐（たくばつ）があります。
▲伐採風景（20世紀初頭のアメリカ）
▲間伐展示林（東京都あきる野市）
チェーンソーが登場するまでは斧と鋸で木を切り倒していました。
木を倒す側に斧で幹に三角の切り込みを入れ、
反対側から斧または鋸で切り倒します。
切り倒す方向を調節したり木の重みで鋸が挽けなくならないよう
切り口に差し込む道具を矢といいます。
このほか伐採の機械にハーベスター（高性能林業機械）があります。
▲チェンソーで木を切る作業者
▲木材伐採機
▲作業中のハーベスター
「主伐」は、森林の樹木を収穫するために伐採することです。
林業の主たる収入の源泉で、「皆伐」と「択伐」があります。
「皆伐」は、対象となる区画にある森林の樹木を全て伐採することです。
伐採のための経費が少なくてすむことから、収入をより多くするためには
合理的な方法ですが、周囲の環境に与える影響が大きいことから、
近年は区画の面積を小さくして環境への負荷を軽減するようになっています。
昭和中期までの植林における伐採は、尾根筋を大きく残すもので、
皆伐であっても山肌一面を裸にするような施行は行わなかったようです。
▲南フィンランドでの皆伐例
「択伐」は、対象となる区画から伐期に達した木など一定の基準で樹木を選び、
適量ずつ数年から数十年おきに抜き切りして、林内での更新を図ることです。
対象となる林分からその成長量分に該当する材積以内の木を伐採する
という手法で行なわれることから、持続的な林業経営が行なえます。
一方、伐採量の決定が困難です。
10～20%程度の本数率で伐採することもあり、残された樹木は
そのまま育成され、一定年数後に同様に択伐が繰り返されます。
伐採により大きな空き地が生じた場合には、苗木が植栽されることもあります。
一般に、択伐は狙った特別な樹木のみを切り、それ以外の樹木は
切らないので森林への影響は小さいと考えられます。
そのため、刈り跡に新たな樹木が生長すれば、
手をつけたことがわからない場合もあり得ます。
いわゆる原生林といわれる森林においても、実際にはこのような過程が
あるものが含まれる（人工林や天然林の）可能性があり、注意を要します。
環境に考慮して道路を開設しないと、
このような判断は正しいとは言えない例があります。
たとえば熱帯多雨林の荒廃の一因に択伐があり、この場合、
ある樹木に機械を運んで近づけるため、重機が通る幅で周囲を切り倒して
進むことになり、１本の木を切るために広い面積の森林を荒廃させています。
「間伐」は、樹木の生長に伴って混み合ってきたが
主伐には至らない森林で、樹木の生育を促すために間引くための伐採です。
森林の荒廃を防ぐことで自然環境を守る事、
林業では長期的な収入を得る事を目的とします。
林床に太陽光線が届くようになり、日当たりが改善する事で
下草が生育しやすい環境ができます。
このため、土壌の流出防止にも繋がることから、
土砂災害防止のためにも重要視される保育作業です。
国内の人工林は終戦前後に政策的に植えられたスギやヒノキが多く、
2010年代には伐採期を迎えています。
人工林や里山など人の手が入った天然林で行われます。
樹木相互の競争に負けた劣勢木や入皮が生じた木などを中心に伐採し、
将来木材としての利用価値が高いと思われる樹木を残すなどする定性間伐と、
伐採経費を抑えるために機械的に一定量を伐採する定量間伐とに大別されます。
そんな中でいわゆる「放置林」の増加による森林の荒廃が深刻化しており、
安価な輸入木材の流入に伴う価格下落から、採算が合わずに森林管理が
行き届かない地域が増えています。
必要な時期に間伐を行わない場合、材質が低下し製品としての価値が
無くなるほか、森林全体が不健康となり、森林の持つ公益的機能が
不十分になる恐れが生じます。
間伐を行わないことにより、細く弱い木が林立してしまった状態は
「線香林」「もやし林」と呼ばれます。
こうなると日光が下まで届かなくなり、下草が生えなくなるため
保水力が低下し、ちょっとした風雨で木は倒れ、表土が流出しやすくなります。
さらに、線香林化してから無理な間伐を行うと、残った木も自然災害で
全滅しかねないため、こうなってしまうと小規模な間伐を少しずつ
行うしかなくなります。
そのための方法として、いくつかの列を作り、その部分の木を
まとめて伐採する「列状間伐」や、木を伐採せず皮を剥いて
立ち枯れさせる「巻枯らし間伐」、表皮を剥がして水分を抜くことで
１年ほどで枯れさせる「皮むき間伐」などが実施されています。
皮むき間伐は、表皮にナタや竹ベラで切れ目を入れてめくれた部分を
人力で引っ張るだけなので重機を必要とせず、水分量が少なくなった後は
軽いため簡単に運び出すこともできます。
▲間伐後のスギ林（神奈川県相模原市）
「除伐」は、将来にわたって育成することを
目指すもの以外の種類の樹木の伐採です。
農における除草に相当します。
間伐と異なり、目的とする樹木の生長を促すほか、
森林を管理する上で支障となる樹木を除去する側面もある。
しかし近年では、生物多様性や環境保全の観点から、
目的の樹木でなくても残す方法が認知されつつあります。（針広混淆林）
「本数調整伐」は、日本独自の用語です。
主として治山事業において行なわれる伐採の名称であり実際の施業は
間伐に酷似しますが、主目的が当該保安林機能の維持増進です。
▼間伐材を利用して作った「暮らしの道具」が好評です。
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https://bit.ly/3pIJt3q
▼木製品一覧
https://bit.ly/3kgRk7h
参考文献；
伐採
https://bit.ly/3qOCN5e
チェーンソー（chainsaw）
https://bit.ly/3qOABdO
ハーベスター（harvester）
https://bit.ly/3knjMUT
皆伐
https://bit.ly/3aM42I2
間伐材
https://bit.ly/3aTnPW9
https:///www.comfortmk.com
通常は丸太を生産する行為をいいます。
林業における伐採の種類には主伐（しゅばつ）、間伐（かんばつ）、
除伐（じょばつ）、皆伐（かいばつ）、択伐（たくばつ）があります。
▲伐採風景（20世紀初頭のアメリカ）
▲間伐展示林（東京都あきる野市）
チェーンソーが登場するまでは斧と鋸で木を切り倒していました。
木を倒す側に斧で幹に三角の切り込みを入れ、
反対側から斧または鋸で切り倒します。
切り倒す方向を調節したり木の重みで鋸が挽けなくならないよう
切り口に差し込む道具を矢といいます。
このほか伐採の機械にハーベスター（高性能林業機械）があります。
▲チェンソーで木を切る作業者
▲木材伐採機
▲作業中のハーベスター
「主伐」は、森林の樹木を収穫するために伐採することです。
林業の主たる収入の源泉で、「皆伐」と「択伐」があります。
「皆伐」は、対象となる区画にある森林の樹木を全て伐採することです。
伐採のための経費が少なくてすむことから、収入をより多くするためには
合理的な方法ですが、周囲の環境に与える影響が大きいことから、
近年は区画の面積を小さくして環境への負荷を軽減するようになっています。
昭和中期までの植林における伐採は、尾根筋を大きく残すもので、
皆伐であっても山肌一面を裸にするような施行は行わなかったようです。
▲南フィンランドでの皆伐例
「択伐」は、対象となる区画から伐期に達した木など一定の基準で樹木を選び、
適量ずつ数年から数十年おきに抜き切りして、林内での更新を図ることです。
対象となる林分からその成長量分に該当する材積以内の木を伐採する
という手法で行なわれることから、持続的な林業経営が行なえます。
一方、伐採量の決定が困難です。
10～20%程度の本数率で伐採することもあり、残された樹木は
そのまま育成され、一定年数後に同様に択伐が繰り返されます。
伐採により大きな空き地が生じた場合には、苗木が植栽されることもあります。
一般に、択伐は狙った特別な樹木のみを切り、それ以外の樹木は
切らないので森林への影響は小さいと考えられます。
そのため、刈り跡に新たな樹木が生長すれば、
手をつけたことがわからない場合もあり得ます。
いわゆる原生林といわれる森林においても、実際にはこのような過程が
あるものが含まれる（人工林や天然林の）可能性があり、注意を要します。
環境に考慮して道路を開設しないと、
このような判断は正しいとは言えない例があります。
たとえば熱帯多雨林の荒廃の一因に択伐があり、この場合、
ある樹木に機械を運んで近づけるため、重機が通る幅で周囲を切り倒して
進むことになり、１本の木を切るために広い面積の森林を荒廃させています。
「間伐」は、樹木の生長に伴って混み合ってきたが
主伐には至らない森林で、樹木の生育を促すために間引くための伐採です。
森林の荒廃を防ぐことで自然環境を守る事、
林業では長期的な収入を得る事を目的とします。
林床に太陽光線が届くようになり、日当たりが改善する事で
下草が生育しやすい環境ができます。
このため、土壌の流出防止にも繋がることから、
土砂災害防止のためにも重要視される保育作業です。
国内の人工林は終戦前後に政策的に植えられたスギやヒノキが多く、
2010年代には伐採期を迎えています。
人工林や里山など人の手が入った天然林で行われます。
樹木相互の競争に負けた劣勢木や入皮が生じた木などを中心に伐採し、
将来木材としての利用価値が高いと思われる樹木を残すなどする定性間伐と、
伐採経費を抑えるために機械的に一定量を伐採する定量間伐とに大別されます。
そんな中でいわゆる「放置林」の増加による森林の荒廃が深刻化しており、
安価な輸入木材の流入に伴う価格下落から、採算が合わずに森林管理が
行き届かない地域が増えています。
必要な時期に間伐を行わない場合、材質が低下し製品としての価値が
無くなるほか、森林全体が不健康となり、森林の持つ公益的機能が
不十分になる恐れが生じます。
間伐を行わないことにより、細く弱い木が林立してしまった状態は
「線香林」「もやし林」と呼ばれます。
こうなると日光が下まで届かなくなり、下草が生えなくなるため
保水力が低下し、ちょっとした風雨で木は倒れ、表土が流出しやすくなります。
さらに、線香林化してから無理な間伐を行うと、残った木も自然災害で
全滅しかねないため、こうなってしまうと小規模な間伐を少しずつ
行うしかなくなります。
そのための方法として、いくつかの列を作り、その部分の木を
まとめて伐採する「列状間伐」や、木を伐採せず皮を剥いて
立ち枯れさせる「巻枯らし間伐」、表皮を剥がして水分を抜くことで
１年ほどで枯れさせる「皮むき間伐」などが実施されています。
皮むき間伐は、表皮にナタや竹ベラで切れ目を入れてめくれた部分を
人力で引っ張るだけなので重機を必要とせず、水分量が少なくなった後は
軽いため簡単に運び出すこともできます。
▲間伐後のスギ林（神奈川県相模原市）
「除伐」は、将来にわたって育成することを
目指すもの以外の種類の樹木の伐採です。
農における除草に相当します。
間伐と異なり、目的とする樹木の生長を促すほか、
森林を管理する上で支障となる樹木を除去する側面もある。
しかし近年では、生物多様性や環境保全の観点から、
目的の樹木でなくても残す方法が認知されつつあります。（針広混淆林）
「本数調整伐」は、日本独自の用語です。
主として治山事業において行なわれる伐採の名称であり実際の施業は
間伐に酷似しますが、主目的が当該保安林機能の維持増進です。
▼間伐材を利用して作った「暮らしの道具」が好評です。
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▼木製品一覧
https://bit.ly/3kgRk7h
参考文献；
伐採
https://bit.ly/3qOCN5e
チェーンソー（chainsaw）
https://bit.ly/3qOABdO
ハーベスター（harvester）
https://bit.ly/3knjMUT
皆伐
https://bit.ly/3aM42I2
間伐材
https://bit.ly/3aTnPW9
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